経営者の再挑戦実ログ

2021-10-14 17:23:00

事業再構築3

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決断力と判断力と「決断軸」

 

 経営者に限らず、誰にでも何かを決めなければいけない時はある。
決断をせまられる機会が雇用される側よりも多いのが経営者です。時にはその判断が倒産を招くこともあり、何を基準に、どう判断し決断するかはとても重要。なにしろ会社の未来、従業員の生活が社長の肩にかかっているから。

 

 事業を再構築しようと決めた社長にも、たくさんの従業員の生活がかかっています。だからこそ、今回の新規事業の立上は何がどうでも成功につながる道筋を考えなければいけないという思いが、多くの経営者にはあるものなのです。でも、成功につながる道は確信があるわけではなく、特にこれまでと違う業態での新たな事業となると、わからないことだらけ。だからコンサルタントがいるわけですが、私たちは全事業の代行約ではないので成功の保証はできません。現状を整理して、今後どういう道筋を描くのがベストかを提案し、必要な機関や企業とつないであらゆることの調整をはかったり、新たな事業と既存事業の間で生じる業務上の問題や人の問題を含め、全社的な業務改善策の提案から細かい調整をするのが私の役割。

 

 だから社長は、いくつかの提案のなかから道を選んでいけばいいのですが…。
この会社に限らず衰退期にある会社の社長の多くが、提案した内容から自社にとってのベストな道を選ぶ基準を持っていないことが多いと感じます。

 

 

取捨選択の基準と考えの浅さ

 選ぶ基準、これはつまり事業を進めるうえでの判断軸。この判断軸がない社長って本当に困ったもので、あの人に言われると「そうだよなぁ…」この人に言われると「それもそうだよなぁ…」と、何度も何度もブレるブレるブレる。そうなると、私たちコンサルチームだけでなく、調整をはかってきた機関や企業、プロジェクトチームに関わるスタッフの皆さんの業務の内容、スケジュール、いろんなことに変更が生じます。今回は店舗改装も絡むので、コロナによる建築資材不足、職人さん不足によって新店のオープンも遅れることになる。何より、急なことにも関わらず集まってくださった工事関係者の皆さんや、間に入ってくださった方たちにも本当に申し訳なくて
 「この件は白紙に戻しましょう」

と言ったことがあるほどです。むしろ、白紙に戻してくれと頼みたいくらい。

 

 そんなふうにブレながら、それでも事業を拡大してこられたのは過去の話。これからの時代、そうはいかない。経営方針も事業計画もなく、金融機関に収支計画も提出せず融資がおりるなんて、よほどでない限りこの先ないと思われます。全て抵当に入っているとはいえ何ヵ所かいいエリアに資産を持っているから貸してくれますが、この辺ではあまり評判のよろしくない金融機関が融資の話を持ち掛けてきているところを見ると、ジワジワ弱るのは待っている感が否めない。まだ貸してくれるらしいと喜んでいる場合じゃない。

 

 この半年で、ブレること数回。私の限界がきて白紙に戻そうと言ったこと2回。
でも白紙に戻すことを拒否するのは、やるしかないとわかっているからのはずなんだけど…。そもそも計画性のないこの社長は、計画なんて立ててもその通りには絶対いかないから意味がないと言うのですが、本当は、計画の立て方がわからなかったり、何をどう考えればいいかがわからない。そして、計画通り進まなかった場合の軌道修正の仕方もわからない。まあ、何より突発的という持って生まれたパーソナリティも大きいですが。

 

 何度プロジェクトチーム会議を行い議事録とって、一つ一つ確実に納得してもらいながら進めても、決めた翌日には考えが変わる。三歩進んで二歩下がるどころか、三歩進んで四歩下がるプロジェクトは10年のコンサル歴のなかでも初めて。店舗改装も先に延び、当然ながらオープンも先に延び、このままいけば2月にオープンできればいいかなというのが私の読み。そうこうしている間に既存店舗の赤字累積額はどんどん膨らみ、雇用調整助成金も12月まで。

 

 倒産や廃業を見届けるのも私たちの役割だけど、変わりたい、何とかしたいと思っている本人が誰より変わることを拒み、これまでのやり方を変えられない、過去の成功体験をなかったものとして新しい考えや方法を受入れられない。苦しい思いを残したまま終わりを迎えるのだけは避けたいとは思うのですが、なにせ私たちコンサルチームは代行屋さんではないので、実行のサポートはするけど社員さんの代わりに店に立つわけではない。何を提案しようが決定権は社長自身。その社長が自分の信念、考え方や判断基準となる一本の軸が通ってなければ、人はついていけない。片腕も後継者も育たない。まだまだ続くこのプロジェクト。私の胃がボロボロになりそうな予感。

 

 

 

 

★コンサルタントeye★

 昔よく、「理念で飯が食えるか」「事業計画あってもその通りにはいかんやろ」と言われました。
が昨今どうですか。あっちでもこっちでもホームページに理念を掲げているじゃありませんか。多くの場合が、「理念」ではなく「行動指針」を掲げてしまってはいますが、ないよりはあった方がいい。

 

 なぜ理念が必要か、行動指針が必要か、今では多くの方が理解していることだと思いますが、理念は企業の目的です。つまり、実現したこと、達成したいこと。その目的を、どんな方法で、どういう計画で達成を目指すのかを整理して可視化するのが事業計画ですよね。これを作成しようと思ったら、かなり深く考えて、何度も何度も考え直し、自分がどうしたいのかを見つめることが必要なので、メンタル的にはかなりキツい。途中で考えるのをやめたくなる。でもそこで考えるのをやめ、行き当たりばったりで事業を進めると運が味方してくれなくなった時に困ることになる。規模がどうであれ、目的を持つ、目標を持つ、計画を立て日々PDCAをまわすことはとても重要。
それはたぶん、人生でも同じじゃないかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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